研究成果
林(加藤)優紀助教・木下俊則教授らの研究成果がNature Communications誌に掲載されました
林(加藤) 優紀 助教、博士後期課程学生の深津 孝平さん、高橋 宏二 助教、木下 俊則 教授らの研究グループは、気孔開口のエンジンの働きをする細胞膜プロトンポンプの881番目のスレオニン残基(Thr881)のリン酸化を介した新規活性調節機構を明らかにしました。研究グループは、光による気孔開口の分子機構の詳細を明らかにすることを目的として解析を進め、孔辺細胞の細胞膜プロトンポンプが、これまで知られていた青色光受容体フォトトロピンを介した青色光によるThr948のリン酸化のみならず、赤色光と青色光によるThr881のリン酸化も伴うことによって活性化され、気孔開口の駆動力を生み出していることを明らかにしました。また、Thr881のリン酸化は葉や芽生えでも観察されることから、植物体全体の共通した活性調節機構と考えられました。細胞膜プロトンポンプは、気孔開口のみならず、細胞伸長、根における養分取込み、花粉管伸長など、様々な生理現象に関わるため、今回発見された精緻な活性調節機構を基盤として、改変型プロトンポンプを用いた植物改変などの利用が期待されます。 本研究成果は、2024年2月20日に英国科学誌Nature Communicationsに掲載されました。