研究成果
小原圭介准教授らの研究成果がPNAS誌に掲載されました
小原 圭介 准教授らの共同研究グループは、膜貫通タンパク質の折り畳みを補助する新しい仕組みを発見しました。膜貫通タンパク質は、生体膜を介した物質や情報のやりとりなど、生命活動に欠かせない役割を果たします。膜を貫通する部分は、膜内部の疎水的環境にフィットする疎水性アミノ酸残基に富んでいます。ここに親水性残基が多く存在すると、タンパク質の構造不安定化が引き起こされ、その様な変異は多くの疾患と関わっています。酵母のグルカン合成酵素Fks1は、細胞膜に局在する膜貫通タンパク質であり、細胞壁の主成分である親水性のグルカン鎖を細胞質領域で合成し、細胞膜を通過させて細胞外に放出します。そのため、複数の膜貫通領域によってグルカン鎖の通路を形成し、そこに親水性残基を多く配置しています。すなわち、Fks1は宿命的に折り畳みが難しいタンパク質であり、機能性と安定性との間のジレンマを抱えています。本研究グループは、小胞体タンパク質のPbr1が、小胞体において新規合成されているFks1と結合し、寄り添うようにしてその折り畳みを補助し、小胞体からの脱出を助けることを発見しました。これは、小胞体における新しい品質管理機構の発見です。本研究の成果は、真菌感染症に対する創薬への応用が期待されます。本研究成果は、2026年7月14日付の国際学術誌 米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されました。
