研究成果

博士課程学生の中山愛梨さん・中野俊詩講師らの研究成果がPNAS誌に掲載されました

博士後期課程学生の中山 愛梨さんと中野 俊詩 講師らの研究グループは、幼少期の社会経験が将来の意思決定を制御する神経メカニズムを発見しました。本研究グループは、モデル生物である線虫を用いた解析により、成虫が餌を探すときの行動パターンが、幼虫期の飼育環境によって変化することを発見しました。特に、幼虫期に個体密度が高い環境(=餌の競合相手が多い環境)を経験すると、神経回路状態に持続的な変化が生じることを明らかにしました。この変化は、多数のニューロンが段階的につながったネットワークによって生み出されます。この接続は、「ギャップ結合」と呼ばれるニューロン同士を結ぶトンネル構造を介します。ギャップ結合は、ヒトを含む多くの動物に保存されている神経接続の基本形式であり、私たちの日常的な意思決定にも、同様の仕組みが働いている可能性があります。本研究成果は、2025年10月7日付の米国学術誌PNASに掲載されました。