論文紹介

研究代表者

佐藤 豊

所 属 名古屋大学大学院生命農学研究科
著 者 Hiroaki Tabuchi,Yu Zhang, Susumu Hattori, Minami Omae, Sae Shimizu- Sato, Tetsuo Oikawa, Qian Qian, Minoru Nishimura, Hidemi Kitano, He Xie, Xiaohua Fang, Hitoshi Yoshida, Junko Kyozuka, Fan Chen, and Yutaka Sato
(田淵宏朗, Yu Zhang,服部奨、大前南美、志水(佐藤)佐江、 及川鉄男、Qian Qian, 西村実, 北野英己, He Xie, Xiaohua Fang, 吉田均, 経塚淳子, Fan Chen, 佐藤豊)
論文題目 LAX PANICLE2 of rice encodes a novel nuclear protein and regulates the formation of axillary meristems
(イネのLAX PANICLE2(LAX2)遺伝子は腋芽の形成を制御する新奇核タンパクをコードする)
発表誌

The Plant Cell 2011 in press

要 旨   分枝はシュートの頂端部に位置する茎頂分裂組織が作り出します。茎頂分裂組織は茎葉を連続的に作り出します。このとき、茎頂分裂組織が葉の付け根付近(葉腋)に腋芽(わき芽)と呼ばれる新たなシュートを作ります。今回の論文ではイネの分枝を制御する新奇因子LAX2を特定しました。LAX2はLAX2遺伝子が機能しない突然変異体の解析から発見されました。まず、枝分かれの機構を明らかにするために、枝分かれがうまくできない突然変異体を見つけ出しました。この突然変異体は葉を形成する生育相と穂を形成する生育相の両方において、分枝の数が減少します。この突然変異の原因を明らかにしたところ、LAX2遺伝子に機能欠損を起こしていることが明らかになりました。すなわち、LAX2が機能することにより枝分かれが作られていたのです。また、LAX2はこれまでに明らかにされている二つの枝分かれの制御因子(LAX1とMOC1)とは独立に枝分かれを制御していることも二重突然変異体の解析から明らかになりました。すなわち、枝分かれを制御する第三の新奇経路に関与していることが明らかになりました。このことは分枝を制御する新たな作用点を見いだした点で、非常に重要な研究成果です。
研究室HP http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~ikusyu/satogroup/