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研究紹介

根・茎・葉・花を生み出す「植物メリステム」の謎解明をとおして、植物力を未来に活かす!

本領域研究の目的

 一粒の種からどのようにして葉・茎・根をもった植物が生まれるのか、いつどのようにして花が咲くのか、などの疑問に答えるのが、私たちの研究の目的です。植物の成長期には、これらの植物器官はすべて「メリステム」と呼ばれる幹細胞の集団から作られ、さらにメリステムの種類により作られる器官が異なります(イメージ図参照)。例えば、植物の成長過程で「栄養成長メリステム」は「生殖成長メリステム」へ変換(相転換)し、前者からは葉が、後者からは花が発生します。根は、「根端メリステム」からできます。本研究の目的は、これらの生命現象を、複数の遺伝子や蛋白質などの分子の働き(生体分子による情報統御系)として解明することです。

本領域研究の研究内容

 1. 葉・茎・花・根などの器官形成の源となるメリステムが形成される仕組み(メリステムの情報統御系)、2. 栄養成長から生殖成長メリステムへの相転換を誘導しているフロリゲン(花を咲かせる物質)の作用の仕組み(相転換の情報統御系)、3. メリステムからの葉・茎・花・根のような器官が発生する仕組み(器官形成の情報統御系)を解明します。これらの研究を、ゲノム解析が進んでいるシロイヌナズナやイネなどを用いて行います。

期待される成果

 以上のような研究により、植物に関する多くの謎が、遺伝子の働きや新奇な分子の動きとして解明されます。地球環境を保持し、食糧を保障するためには、植物機能を維持・強化することが肝要です。本領域研究は、人類のパートナーとしての植物の生命力と機能(植物力)を維持・向上させるための新たな方途を提供します。