論文紹介

研究代表者

田坂 昌生

所 属

奈良先端科学技術大学院大学

著 者

Uchida N., Igari K, Bogenschutz N.L, Torii U.K. & Tasaka M.

論文題目

Arabidopsis ERECTA-Family Receptor Kinases Mediate Morphological Alterations Stimulated by Activation ofNB-LRR-Type UNI Proteins

発表誌

Plant Cell Physiol. 52(5): 804–814 (2011)

要 旨  植物地上部の形態は茎頂分裂組織と葉の脇に作られる腋芽分裂組織の活性により決められる。我々はシロイヌナズナを材料に恒常活性型に変異したNB-LRR (nucleotide- binding site-leucine-rich repeat)タンパク質の1種である UNI タンパク質がこれらの分裂組織の活性を調節する事で形態異常を引き起こす事を既に報告している。本論文では、レセプターキナーゼの1種であるERECTA (ER)が活性化UNIと協調して機能する事で茎頂分裂組織の機能の調節に関与する事を明らかにした。そして、ERファミリーのメンバーが腋芽分裂組織の活性に関与する事も明らかにした。これまでに活性型のUNIはサイトカイニンの1種であるtrans-zeatin の合成、特に合成酵素CYP735A2をコードする遺伝子の転写活性を高める事で表現型の促進に関与し、その際にはサイトカイニン応答反応が活性化している事も示していた。今回、ERファミリーが活性型UNIによるCYP735A2の転写上昇に関連する事を明らかにした。さらに、UNIを発現している細胞でERが機能する事がこれらの制御に重要である事も示した。
研究室HP http://bsw3.aist-nara.ac.jp/keihatsu/dynamics/index.html