論文紹介

研究代表者

田坂 昌生

所 属

奈良先端科学技術大学院大学

著 者

Uchida N, Sakamoto T., Kurata K., and Tasaka M.

論文題目

Identification of EMS-Induced Causal Mutations in a Non-Reference Arabidopsis thaliana Accession by Whole Genome Sequencin

発表誌

Plant Cell Physiol. 52(4): 716-722 (2011)

要 旨  EMS等により人工的に誘発した突然変異の原因遺伝子を同定する一般的な方法はマップベースクローニングである。この方法では、変異株を別のaccessionラインと掛け合わせて、その後ライン間の多型を利用して変異部位を特定して行く。そのため、この作業には多くの時間と労力を必要とし、さらに多型情報が整備されていないライン間では多くの困難が伴ってくる。最近になって次世代シクエンサーが開発されたが、本論文では、シロイヌナズナを材料にEMSで生じた新規変異部位を次世代シクエンサーで変異株の全ゲノムを解読する事で簡単に同定する方法を紹介している。この方法は、accessionに関係なく応用できるし、遺伝学的に複雑な系、例えばある変異株にさらに変異を加えて得られたサプレッサーやエンハンサー等の多重変異株、マーカー遺伝子を導入した組換え植物に重ねて変異を入れた植物等、の解析に応用する事が出来る。
研究室HP http://bsw3.aist-nara.ac.jp/keihatsu/dynamics/index.html