論文紹介

研究代表者 塚谷裕一 所 属 東京大学大学院理学系研究科基礎生物学研究所
著 者 Hirokazu Tsukaya.
(塚谷裕一)
論文題目 Controlling Size in Multicellular Organs: Focus on the Leaf
(多細胞性器官のサイズ制御:葉を焦点として)
発表誌 PLoS Biology 6: 1373-137 (2008)
要 旨  葉のサイズ制御には、細胞レベルの振る舞いを器官レベルで統御するようなシステムがあると考えられる。その1つの証左は、細胞数が減少したときに個々の細胞サイズが大きくなる補償作用という現象の存在である。もう1つは、ここで高次倍数体シンドロームと仮に名付ける現象で、倍数性の増加に伴い個々の細胞サイズは大きくなるが、器官サイズは必ずしもそれに比例しないという現象である。シロイヌナズナでも4倍体の葉の細胞サイズは2倍体のサイズより大きく、また8倍体の細胞サイズは4倍体の細胞より大きい。ところが、葉のサイズで見ると、2倍体より4倍体は細胞サイズの変化に応じて大きくなるものの、8倍体は4倍体より小さく、2倍体に比してすら小さい。このようなことが起きる要因はまったく謎であり、これまで議論されてきた諸仮説には、いずれも難点がある。現在考えられる作業仮説と、打開のためのありうる研究方策について議論した。
図1
研究室HP http://www.nibb.ac.jp/%7Ebioenv2/indexj.html
http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/bionev2/top_j.html