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Mizuno T.: 2002.05.02
Fusion protein, transgenic などの Plasmid construction に応用する。
サーマルサイクラーの電源を入れる。 下記の温度時間条件を入力しておく。
試薬を混ぜる。 試薬を混ぜる順番は、一般的にwater、buffer、enzymeの順番で(これはどんな実験にも適応される)。 まず何種類反応させるかを計算し、その数+1〜2本分のpre-mixを作製する。
以下は1サンプル当たりの容量
10xBuffer 5 ul dNTP 4 ul templete primer1(5mM) 5 ul (10 mMを2.5 ulや、2 mMを12.5 ulでもよい) primer2(5mM) 5 ul Pyrobest 0.25 ml Water 30 ul(全体量50 ulになるように加える)
templeteとprimerをあらかじめ入れておいた専用チューブにpre-mixを加え、ピペッティングによって混ぜる。 念のために専用遠心機でスピンダウンする。
チューブをサーマルサイクラーにセットする。
94℃ 15sec 55℃ 30sec 70℃ 1min/1kb (5kbであれば5min) これを30サイクル行い、終了後、4℃保存
電気泳動で増幅を確認する。
2種類のプライマーに依存して増幅が起こっているかを確認するために、プライマーを一つしか入れないコントロールを行うこと。 要するに、forward primer 1 と reverse primer 2に依存して増幅しているかを調べるためには、forward primer 1 のみのサンプル、 reverse primer 2 のみのサンプルをコントロールとして行う。
全く増幅が見られないときは、extention time をのばしたり、以下のようなサイクルを試してみる。
94度 1分 98度 20秒 68度 20分 これを14サイクル 98度 20秒 68度 20分+15秒/サイクル(一サイクル毎に15秒ずつ長くする) これを16サイクル 72度 10分 4度
PCR productを1.5 mlチューブに移し、以下を加える。
PCR product A ul 3M NaOAc A/10 ul EtOH 3A ul
vortexで良く混ぜる。
-20℃、20min (この段階で長期保存可能)
15krpm、4℃、20min
上清をピペットマンで取り除く。
適量(沈澱させたときの容量より多めに、5A mlとか)の70%EtOHを沈澱に直接かからないよう静かに加える。
チューブを数回ゆっくりとひっくり返す。
15krpm、4℃、5min
上清をピペットマンでよく取り除く。
vacuum dry、2min(沈澱が乾燥していることを確認する)
16 ulのwaterに溶解する。
Probest PCR product には 5' 末端にリン酸基がない。 Ligationのためには2つのDNA断片の 5' 末端のどちらかにリン酸基が必要である。 そこでpolynucleotide kinase (PNK) 処理を行い、PCR product 5' 末端にリン酸基を付加する。
エタノール沈澱させたPCR productに以下を加える(全てREVCOのother enzymeの箱に入っているはず)。
10 X PNK buffer 2 ul 20mM ATP 1 ul PNK 1 ul
37℃、30min〜(以前行った時は2時間処理したが30分くらいで大丈夫だと思う)
TAKARAの10 X Loading bufferを加える。(applyの際に沈まないと困るので、いつも1/5量くらい加える)。
0.7%アガロースゲルで電気泳動する。 断片を切り出す場合には、コンタミ防止と切り出し易さを考えて、1レーン置きに泳動している。 また、泳動槽は洗浄し、泳動バッファーは交換する。
dyeがゲルの2/3まで流れたら、泳動を終了させる。
ゲルをEtBr槽に入れて、軽く浸透する。 EtBr槽についても洗浄し、液を新しくする。 液の作り方は、まず容器の半分くらいまで超純水を入れ、そこに泳動コーナーの戸棚に入っている高濃度のEtBrを数十マイクロリッター加える(液がかすかに染まる程度入れる)。 EtBrは変異原なので注意すること。
10min(この間にゲルから切り出す準備をする)
手袋をして、ゲルをサランラップの上に取り出す。 電気を消す。 防護マスクをかぶる。 ゲルから目的の断片を切り出す(なるべく小さく切り出す)。 切り出したものを1.5mlチューブに入れる。 切り出し終わった後のゲルは捨てる前に写真を撮影しておく。
ゲルの入ったチューブとゲルの入っていないチューブの重さをはかり、ゲルの重さを調べる。
これ以降はQIAEXIIの説明書に従う。 ただし、最終的に20 ulのwaterに溶解する。
REVCOに入っているTOYOBO Ligation Highを溶解する。
以下のサンプルを調合する。 要するに、vectorとinsertの両方に依存しているかを調べる。 QIAEXIIで精製した断片は、ビーズが残存していると良くないので、使用前に遠心すること。
vector 1 ul+insert 5 ul+Ligation High 4 ul vector 1 ul+water 5 ul+Ligation High 4 ul water 1 ul+insert 5 ul+Ligation High 4 ul
16℃(室温でもかまわない)、overnight
self ligationの場合はDNA 1 ul+water 5 ul+Ligation High 4 ulでやって下さい。 あと注意点としては、PCRのtempleteがコンタミしている可能性があるので、DNA 1 ul+water 9 ulというコントロールを行って下さい。
Pyrobest DNA polymeraseを用いたPCRのproductのcloning用に、pBSKのEcoRV-digestion and BAP-treatment を用意しておく。
ディープフリーザーに入っているコンピテントセルXL-1 blueを室温で溶解する。 1サンプル当たり100ml必要である。
ligation反応後サンプルをスピンダウンする。 基本的に、小型遠心機で遠心できるチューブはふたをあける前にスピンダウンすること。
コンピテントセルを100ml加え、ピペッティングもしくはタッピングで良く混ぜた後、氷上に15分置く。 残ったコンピテントセルは捨てるか、単なるプラスミドのtransformationに使う。
42℃、40秒〜1分、ヒートショック
氷上に戻す。
LBを1ml加え、数回ひっくり返し混ぜる。
37℃、30分(インキュベーターに入れるか、ストック箱に入れてシェーカーに入れる)
4krpm、室温、3分で遠心し、菌体を沈澱させる。
上清をデカントで軽く捨てる(100mlくらい液が残るようにする)
菌体をピペティングで溶解する。
LB-amp plateに全量をまく。
スプレッターはまず縦方向にのみ動かし、その後、横方向に動かす。 ここでのポイントは不均一に広げることであり、そうするとtransformantが大量に出現した場合でも、single colonyをpick upすることができる。
37℃、overnight、もしくは、30℃、2overnight
これはligationサンプルのtransformationであり、単にプラスミドをtransformationする場合にこの方法で行うと大量にtransformantが出現してしまう。 それを回避するために次のように行う。 1、使い回しのコンピテントセルを使用し、2、コンピテントセルの量を少なめにし、3、recoveryせずに少量(数マイクロ)まく。 要するに雑に行えば良い。
ミニプレマシーンで行うのであれば、ファイル2か3で行い、乾燥(vacuum dry)と溶解は自分で行う。 注意点は、きちんと乾燥させることと、溶解に用いるTEはRNAの入っていないものにすること(マシーンで行えば、RNAは除去されている)。
多分マシーンの方がきれいに回収できるし、楽ちん。以下に手で行う方法を記す。
作り方はMolecular Cloningに書いてあると思う。注意点は、ampは-20℃ で凍らせておくことと、solution2は数週間経ったら新しく作りなおすこ と。solution2は、水、アルカリ、SDSの順でいれ、アルカリを入れた後、 SDSを入れる前に、きちんと混ぜないと、SDSを入れたときに沈殿ができる。 LB/amp(50ug/ml)は毎回作るのは面倒なので、作って4℃に保存している。 長く置いておくとampが効かなくなるかもしれないので、1月以内に使って いる。(1月というのも根拠はなく、気分の問題かも。)
シングルコロニーを2mlのLB/amp(50ug/ml)に植菌する。入れ物は試験管もしく は使い捨てのプラスチックチューブを使う。
37℃で一晩振盪培養。
培養液を1.5mlチューブに移す(入るだけ入れる)。
15krpm、4℃(あまり気にしていない)、1min。
上清をデカントで出来るだけ捨てる。
petを100ulのSolution1にボルテックスで溶かす。
200ulのSolution2を加え、4、5回ひっくり返して混ぜる。この操作によって、大腸菌の細胞膜が壊れ、菌体内のプラスミドが外に出てくる。激しく振りすぎると、細胞膜にくっついている大腸菌のゲノムDNAが出てきてしまうので良くない。この操作から9番の操作までは5分以内でやること。そうしないとプラスミドがアルカリによって変性してしまい、精製後の処理が効きにくくなる(制限酵素で切れにくくなるなど)。
蓋を開けると、アルカリとSDSで大腸菌の細胞膜が壊れて、蛋白質が溶出したために、糸を引いている。
150ulの5M KoAcを加え、再度4、5回ひっくり返して混ぜる。この操作によって、pHが中性に戻り、膜や蛋白質が塩析する(白い塊が見えるようになる)。
15krpm、4℃、10〜15min(時間は気分次第)
sup400ulを別の1.5mlチューブに移す。
supに1ml(2.5倍量)のエタノールを加え、ボルテックスする。
15krpm、4℃、5min(長く遠心しすぎると余分なものも沈殿するかも)
supをデカントで出来るだけ捨てる。
1mlの70%エタノールでpetをリンスする。
15krpm、4℃、1〜5min(時間は気分次第)
supをデカントで出来るだけ捨てる。
15krpm、4℃、一瞬
supをピッペットマンで捨てる。
バキュームドライ 1min(petが乾燥すればよい。エタノールが残っていると制限酵素で切ったときに切れ残りが生じる。)
petを50ulのTE(1mg/l RNase入り)に溶解する。(mini-prepDNAを溶かすため専用のRNase入りのTEを作っている。このTEを使うことによって、制限酵素で切る度に反応溶液にRNaseを入れる必要がなくなる。RNaseが入っているからといってTEを低温に置いておく必要はないが、あまりに古くなる(数カ月は大丈夫)とRNaseの効き目が悪くなることがある。)
通常、100ng/ul(X 50ul)のプラスミドが回収できる。
以下のように混ぜる。
10 X Buffer 4 ul (使う酵素に応じて変える) DNA 2 ul Enzyme 0.5 ul (全体量の1/20を超えないようにする) Water To 40 ul
37℃、30分〜overnight(通常、water bathで2時間以上行っている) subcloning用vectorを作製する場合には、切断後、(H Bufferを使っているのであれば)サンプルにCIAPを0.5 ul加え、さらに37℃、30分。
TAKARAの10 X Loading bufferを8 ul加え、20 ulを電気泳動する(applyの際に沈まないと困るので、いつも1/5量くらい加える)。 残りはミスした時に備えて、残しておく。 subcloning用vectorを作製する場合には、近接した2レーンに全量を泳動する(その他の注意点は「切り出し」のファイルを見て)。
違う10 X Bufferで切断しないといけない場合は、次のいくつかの方法で行う。
ただし、enzymeによってはある条件で非特異的な切断が起こってしまうので、気をつけないといけない(カタログなどを確認すること)。
制限処理したプラスミドを電気泳動し、予想した断片がでているか確認する。
マシーンでMini-prepしたものをそのまま使っても、かなり(500bpくらい)読むことができるので、QIAEXIIで精製する必要はそれほどない。
DNA濃度は、電気泳動した際に同じような濃さのバンドであれば、1サンプルのみ検定すれば良い。
あとは、キットの説明書に従って行う。