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論文紹介【第8回論文紹介】
コハク酸セミアルデヒド脱水素酵素は向背軸に沿ったシロイヌナズナの葉の頑強なパターン形成に関わる
論文紹介
研究代表者
岡田 清孝
所 属
基礎生物学研究所
著 者
Koichi Toyokura , Keiro Watanabe , Akira Oiwaka , Miyako Kusano , Toshiaki Tameshige , Kiyoshi Tatematsu , Noritaka Matsumoto , Ryuji Tsugeki , Kazuki Saito and Kiyotaka Okada
(豊倉浩一, 渡辺恵郎, 及川彰, 草野都, 為重才覚, 立松圭, 松本任孝, 槻木竜二, 斉藤和季, 岡田清孝 )
論文題目
Succinic Semialdehyde Dehydrogenase is Involved in the Robust Patterning of Arabidopsis Leaves along the Adaxial-Abaxial Axis
(コハク酸セミアルデヒド脱水素酵素は向背軸に沿ったシロイヌナズナの葉の頑強なパターン形成に関わる)
発表誌
Plant and Cell Physiology、第52巻第8号1340頁〜1353頁
要 旨
植物の地上部の側生器官における向背軸のパターン形成は葉の発生において重要であり、複数の発現制御因子が背軸側特異的、もしくは、向軸側特異的に発現してそれぞれの領域の細胞分化を促進していると考えられている。しかしながら、これらの発現制御因子自体がどのようにしてそれぞれの領域特異的に発現しているのかについてはほとんどわかっていない。私たちは、背軸側で特異的にGFPを発現する
FILpro:GFP
の発現パターンの不安定になる
enlarged fil expression domain1
(
enf1
)変異体の解析をおこなった。
ENF1
遺伝子はガンマアミノ酪酸(GABA)シャントとよばれる代謝経路に含まれるコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素をコードしており、GABAシャントの酵素をコードするGABAT1遺伝子の変異によって
enf1
変異体の表現型が抑圧されたことから、GABAシャントにおいてENF1とGABAT1との代謝の中間に位置するコハク酸セミアルデヒド(SSA)の代謝異常が
enf1
変異体の表現型異常の原因であると考えられた。野生型にSSAを投与したところ、葉の形態が異常になり
FILpro:GFP
のパターンにも影響があらわれた。また、SSAは茎頂分裂組織で合成されていることが示唆された。以上から、SSAの代謝制御が葉の向背軸パターン形成に重要であることが示唆された。
図1.野生型(左)とenf1変異体(左)における、35
S:miYFP-W
(マゼンタ、向軸側因子)と
FILpro:GFP
(緑、背軸側因子)の茎頂部の横断切片での発現パターン。同程度の大きさの葉原基(白点線)を比較すると、enf1変異体では野生型よりも向軸側の領域が大きい葉原基(黄色)と背軸側の領域が大きい葉原基(赤)が見られる。アスタリスクは茎頂分裂組織。バーは100 um。
研究室HP
http://www.nibb.ac.jp/sections/developmental_biology/okada-k/