論文紹介

第26回論文紹介(2016.1更新)

グループ名
生体応答論グループ
著者

花房洋、慶田城迅、手塚基弘、船津基暉、宇佐美学史、豊島文子、松本邦弘

タイトル(英)
PLK1-dependent activation of LRRK1 regulates spindle orientation by phosphorylating CDK5RAP2.
タイトル(日)
PLK1依存的に活性化したLRRK1は、CDK5RAP2をリン酸化することでスピンドル配向を制御している。
発表された専門誌
Nature Cell Biology 17, 1024-1035 (2015)

細胞分裂軸の決定は、神経幹細胞の増殖/分化や、器官形成(腸や血管、肺など)に重要なステップである。細胞分裂軸は、細胞分裂期(M期)スピンドル微小管の傾きで規定されており、スピンドル微小管の配向は、中心体から細胞膜に伸びる星状体微小管と細胞膜との相互作用で制御されている(図1)。今回我々は、HeLa細胞においてLeucine-rich repeat kinase 1(LRRK1)をノックダウンすると、中心体から伸びる星状体微小管の形成が消失し、スピンドル微小管の傾きがランダムになり、細胞分裂軸が異常になることを見出した(図1)。さらに、その分子機構を解析したところ、LRRK1はM期キナーゼPLK1及びCDK1によってリン酸化され、M期中心体で活性化していることを明らかにした(図2)。中心体で活性化したLRRK1は、中心体構成因子CDK5RAP2をリン酸化し、CDK5RAP2によるgTuRC複合体の活性化を促進していた(図2)。gTuRC複合体は、中心体の微小管形成能力を担う複合体であり、LRRK1はCDK5RAP2をリン酸化することで、星状体微小管の形成を促進していることが明らかとなった。興味深いことに、LRRK1によるリン酸化ドメインを欠失したCDK5RAP2は、マウスで小頭症を発症することが知られており、LRRK1による細胞分裂軸の制御機構は、脳の形成に重要な役割を果たしている可能性が考えられる。

図1:スピンドル微小管と細胞の分裂軸

図2:中心体におけるLRRK1の活性化と機能

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