論文紹介

第26回論文紹介(2016.1更新)

グループ名
遺伝子解析グループ
著者

鈴木重勝、平川泰久、小藤累美子、杉田 護、石田健一郎

タイトル(英)

Plastid genome sequences of Gymnochlora stellata, Lotharella vacuolata, and Partenskyella glossopodia reveal remarkable structural conservation among chlorarachniophyte species

タイトル(日)
クロララクニオン藻の葉緑体ゲノム配列は種間で高度に保存されている
発表された専門誌

Journal of Plant Research (2016) in press.

シアノバクテリアがある真核生物と共生し、葉緑体となったことで酸素発生型光合成をする一次共生植物が生まれた。さらに、一次共生植物が他の真核生物の細胞内に共生した結果、誕生したのが二次共生植物である。クロララクニオン藻は二次共生の痕跡をはっきりと残している藻類で、葉緑体は4枚の膜で囲まれており、2枚目と3枚目の間にヌクレオモルフ(一次共生植物が持っていた細胞核の痕跡物)が存在する。ヌクレオモルフのゲノムサイズは400Mbほどで、その全塩基配列は多くの種で解読済みであったのに対して、葉緑体ゲノムの多くは未解読であった。そこで、3種のクロララクニオン藻の葉緑体ゲノムの全塩基配列を決定した(図1a,b,c)。その結果、3種のクロララクニオン藻の葉緑体ゲノムは、一部の遺伝子については欠失や逆位が見られるが、基本的にはゲノムサイズ、遺伝子数、遺伝子配置が高度に保存されていることが明らかになった(図1d)。これはヌクレオモルフのゲノム構造が種間で大きく異なるのとは対照的で、二次共生の過程で両ゲノムの保存性が大きく異なる方向に進化してきたことを示している。また、葉緑体ゲノムの分子系統解析の結果、クロララクニオン藻の葉緑体は緑藻類の葉緑体を起源としていることが強く示唆された。

図1:

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