論文紹介

第26回論文紹介(2016.1更新)

グループ名
植物生理学グループ、トランスフォーマティブ生命分子研究所
著者

Yuichiro Tsuchiya, Masahiko Yoshimura, Yoshikatsu Sato, Keiko Kuwata, Shigeo Toh, Duncan Holbrook-Smith, Hua Zhang, Peter McCourt, Kenichiro Itami Toshinori Kinoshita and Shinya Hagihara

タイトル(英)
Probing strigolactone receptors in Striga hermonthica with fluorescence
タイトル(日)
蛍光分子を用いたストライガのストリゴラクトン受容体の同定
発表された専門誌
Science・349 (6250)・864-868・2015

ハマウツボ科の寄生植物であるストライガは、穀物に寄生して田畑一帯を全滅させることも多いため、別名「魔女の雑草」と呼ばれている。現在、アフリカ貧困層 における農業生産において非常に深刻な被害を及ぼす有害生物として知られている。ストライガは穀物が土中に放出するストリゴラクトンを認識して発芽し、寄生することから、これまでストリゴラクトンを利用した防除法が提唱されてきた。しかし、ストライガは実験室での生育が極めて難しく、ストリゴラクトンの受容体やシグナル伝達といった基礎的な知見は皆無であった。今回我々は、ストリゴラクトン受容体に結合することで蛍光がオンになる分子「ヨシムラクトン」を開発した。これを利用して、α/βヒドロラーゼ様タンパク質ShHTLsと呼ばれる一群のタンパク質がストリゴラクトンを受容し、発芽を誘起することを明らかとした。さらに、ストリゴラクトンの受容が、まず根の先端で起こり、波の様に種全体に広まっていく様子を観察することに成功した。この発見をもとに、 ストライガの発芽を制御する薬剤の開発を通して、アフリカの食糧問題の解決に貢献できると期待される。

図1:

非寄生植物におけるストリゴラクトンの受容体は、ストリゴラクトンの受容とともにリガンドを加水分解することが知られている。そこで、ストリゴラクトン活性を維持したまま、受容体に加水分解されることで蛍光を発する分子「ヨシムラクトン」を開発した。

図2:

ヨシムラクトンをストライガに与えて発芽させ、いつどこで受容が起こるかをタイムラプスムービーにて撮影した。 受容は、まず根の先端で起こり、種子全体に波のように拡散したのち、一旦消失する。その後、再び根の先端から受容の波が起こると同時に根の伸張が起こる。

Research Highlights | WPI World Premier International Research Center Initiative: Institute of Transformative Bio-Molecules, Nagoya University

(Movie; Treatment of Striga with Yoshimulactone)

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