論文紹介

第26回論文紹介(2016.1更新)

グループ名
超分子構造学グループ
著者

中田遼平、平野秀美、松浦能行

タイトル(英)
Structure of importin-a bound to a non-classical nuclear localization signal of the influenza A virus nucleoprotein
タイトル(日)
宿主インポーティンアルファがA型インフルエンザウイルスヌクレオプロテインの非古典的核移行シグナルを認識する機構の構造基盤
発表された専門誌
Scientific Reports, 5: 15055 (2015)

A型インフルエンザウイルスは、季節性インフルエンザの流行のみならず、高病原性インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)を引き起こすこともあり、依然として国際的な公衆衛生上の脅威である。A型インフルエンザウイルスのRNAゲノムは宿主細胞の核内で転写・複製されるため、ウイルスゲノムRNAの核移行を特異的に阻害する低分子化合物を開発できれば、新規抗インフルエンザ薬となる可能性がある。そこで、私たちはウイルスゲノム核移行の鍵を握るインフルエンザウイルスNP(ヌクレオプロテイン)の非古典的核移行シグナル(non-classical nuclear localization signal; ncNLSと略称)と宿主の核移行受容体(インポーティンアルファ)の複合体の結晶構造を2.3オングストローム分解能で解いた(図1)。さらに、構造情報に基づいた変異体解析により、インポーティンアルファによるncNLSの認識ならびに核移行に特に大きく寄与するアミノ酸残基を同定した。最近、本研究で明らかになったncNLS結合部位に特異的に結合するリード化合物も発見された。これらの知見は、宿主インポーティンアルファを標的とした、新規抗インフルエンザ薬の開発に示唆を与えるものである。

図1:宿主インポーティンアルファとA型インフルエンザウイルスNPの非古典的核移行シグナル(ncNLS)の複合体の結晶構造

宿主インポーティンアルファとA型インフルエンザウイルスNPの非古典的核移行シグナル(ncNLS)の複合体の結晶構造

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