論文紹介

第22回論文紹介(2014.1更新)

グループ名
脳回路構造学グループ
著者
尹淨泫、松尾恵倫子、山田大智、水野浩、森本高子、宮川博義、木之下節夫、石元広志、上川内あづさ
タイトル(英)
Selectivity and plasticity in a sound-evoked male-male interaction in Drosophila.
タイトル(日)
ショウジョウバエの,音によって引き起こされるオスどうしの相互作用行動の選択性と可塑性
発表された専門誌
PLoS ONE 8(9): e74289. doi:10.1371/journal.pone.0074289 (2013)

哺乳類や魚など他の動物と同じように、ショウジョウバエも音を使った個体間コミュニケーションを行う。しかし,種に固有の聴覚コミュニケーションを支える神経基盤はあまり良く分かっていない。ショウジョウバエでは,種に固有の「求愛歌」音に応じてオスの配偶行動が活発化する。この現象は,聴覚情報処理のしくみを理解するための良い実験モデルとしてこれまで使われて来た。しかし,その解析は煩雑であり、変異体スクリーニングなどの大規模解析には不向きであった。この問題を解決するために私たちは、この音に応じた行動を自動で解析するソフトウェア 「CHaIN」 を開発した。これを使った解析から,ショウジョウバエの近縁種間での聴覚行動の違いや,聴覚行動の可塑的な変化が明らかになった。ソフトウェアは、こちら(http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/chain/)からダウンロード可能。

図1:

画像解析の手法を利用して,音に応じたショウジョウバエの行動変化の様子を定量化するアルゴリズムの開発に成功した。

図2:

持続音にさらされたショウジョウバエの行動量は経時的に低下するが、一次聴覚中枢の応答性は変化しないことを発見した。

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