論文紹介

第22回論文紹介(2014.1更新)

グループ名
遺伝子解析学(GR)
著者
一瀬瑞穂、杉田千恵子、八木祐介、中村崇裕、杉田 護
タイトル(英)

Two DYW subclass PPR proteins are involved in RNA editing of ccmFc and atp9 transcripts in the moss Physcomitrella patens: First complete set of PPR editing factors in plant mitochondria.

タイトル(日)
2種のDYWサブクラスPPRタンパク質はミトコンドリアccmFcatp9 mRNAのRNA編集に働く:植物ミトコンドリアで最初に明らかにされたフルセットのPPR編集因子
発表された専門誌
Plant & Cell Physiol. 54 (11), 1907-1916 (2013).

植物ミトコンドリアのRNA編集にpentatricopeptide repeat (PPR)タンパク質が重要な役割を担っていることが知られています。私たちはヒメツリガネゴケのミトコンドリアmRNAに11カ所のRNA編集部位が存在すること、および9種のDYWサブクラスPPRタンパク質(PPR-DYWタンパク質)がミトコンドリアに存在することを数年前に明らかにしました。これまでに1種のPPR-DYWタンパク質がcox1 pre-mRNAの第3イントロンのスプライシングに働き、6種のPPR-DYWタンパク質が9カ所のRNA編集部位に働くRNA編集因子であることを明らかにしましたが、残り2カ所のRNA編集部位(ccmFc-C103とatp9-C92)に働くRNA編集因子は謎のままでした。本論文では、PPR-DYW遺伝子破壊株と遺伝子発現抑制株を用いた解析により、PpPPR-65がccmFc-C103とC122部位に、PpPPR_98がatp9-C92部位の編集因子であることをそれぞれ明らかにしました(図1)。これにより全11カ所のRNA編集部位に働くすべてのPPR-DYW編集因子が判明したことになります()。今後は、C-to-U変換を触媒するRNA編集酵素の本体を明らかにしていく予定です。

図1:

表:

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