論文紹介

第9回論文紹介(2007.6更新)

グループ名
超分子機能学講座 生体膜機能
著者
須藤雄気,John L. Spudich
タイトル(英)
CThree strategically placed hydrogen-bonding residues convert a proton pump into a sensory receptor.
タイトル(日)
3つのアミノ酸置換が、光駆動プロトンポンプを光センサーに変換する
発表された専門誌
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103, 16129-16134 (2006)

生物は、太陽光を「エネルギー」もしくは「情報」に変換し、生命活動に利用している。なぜエネルギーに変換できるのか?なぜ情報に変換できるのか?を明らかにするために、エネルギー変換・情報変換の両方のタイプを持つ古細菌を解析の対象とした。本研究では、本来エネルギー変換(プロトンポンプ)として働く分子を、情報変換(光センサー)として働く分子へと機能変換可能な部位を明らかにし、光センサーにとって必須の部位を炙り出すことを目的としている。キメラ蛋白質、部位特異的変異蛋白質の解析の結果、ポンプとセンサーで74%のアミノ酸が異なるにも関わらずわずか3つ(1%)を置換することで機能が変換されることがわかった(図1)。またセンサーに特徴的な他の性質(遅い反応サイクル、イオン透過能の消失)も、センサー型へと変換された。進化論的な解析結果と併せて、光センサー蛋白質は、イオンポンプ蛋白質から3つのアミノ酸の変化によりできたことを示唆する結果である。さらにこれまでのSRII研究の知見と併せて、忌避応答の分子メカニズムがわかってきた(図2)。

図1:

今回用いた光エネルギー変換蛋白質(バクテリオロドプシン、BR)と、光センサー蛋白質(センサリーロドプシンII、SRII)の構造。SRIIは膜中で2回膜貫通型蛋白質、HtrIIと複合体を形成し、情報を伝達している。最終的に光信号は鞭毛モーターへと伝わり、忌避応答が実現している。丸印は機能を変換させるために変換したアミノ酸残基を示す。

図2:

SRIIの忌避応答の分子メカニズム。置換した3つのアミノ酸残基の内、2つは共役蛋白質との相互作用に、1つは発色団(レチナール)との相互作用に重要であることがわかった

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