論文紹介

第9回論文紹介(2007.6更新)

グループ名
遺伝子実験施設 遺伝子解析学
著者
杉田千恵子、緒方是嗣、四方正光、軸屋博之、高野純、古道美穂、金久 實、小俣達男、杉浦昌弘、杉田 護
タイトル(英)
Complete nucleotide sequence of the freshwater unicellular cyanobacterium Synechococcus elongatus PCC 6301 chromosome: gene content and organization.
タイトル(日)
淡水産単細胞性シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 6301株の染色体ゲノムの全塩基配列
発表された専門誌
Photosynthesis Research 2007(印刷中)

淡水産で単細胞性のシアノバクテリア、Synechococcus elongatus PCC 6301(旧名Anacystis nidulans Berkeley strain 6301)の染色体ゲノムの全塩基配列を決定した(図1)。ゲノムサイズは2,696,255 bpあり、その中に少なくとも2,525種類のタンパク質遺伝子と、2セットのrRNA遺伝子オペロン、45種のtRNA遺伝子などをアノテートした。タンパク質遺伝子の56%は機能が確定または推定されている遺伝子で、35%は機能不明であるが他のシアノバクテリア種または他の生物種にも存在する遺伝子であった。残りの9%はシアノバクテリアを含む他の全ての生物種には存在しない本株に特有の遺伝子であった。PCC 6301株ゲノムにはシグナル伝達の二成分制御系遺伝子が37個しかなく、これまでゲノム解読された淡水産のシアノバクテリアの中では最も少なかった。S. elongatus はシアノバクテリアにおける二成分制御系遺伝子の機能解析に適しており、本株と近縁のS. elongatus PCC 7942株を用いた二成分制御遺伝子の機能解明が急速に進んでいる(Takai et al. PNAS 2006第8回論文紹介参照;Maeda et al. JBC 281, 5869-5876, 2006; Maeda et al. JBC 281,37868-37876, 2006)。PCC 6301株とPCC 7942株のゲノム全体の塩基配列は99.9%とほぼ同一の配列であるが、両株のゲノム間で188.6kbのゲノム配列がお互いに逆転している領域が1カ所存在することが判明した(図1)。

図1:

PCC 6301株の染色体ゲノムの遺伝子地図 
上部の2つの矢印はPCC 7942株ゲノムで反転している領域の末端位置を示す

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