論文紹介

第9回論文紹介(2007.6更新)

グループ名
生体調節論 生体応答論
著者
梶野泰祐、大森英美理、石井俊輔、松本邦弘、辻順
タイトル(英)
TAK1 MAPK kinase kinase mediates transforming growth factor-βsignaling by targeting SnoN oncoprotein for degradation.
タイトル(日)
TAK1 MAPKKKによるTGF-βシグナル依存的な癌遺伝子SnoNの分解機構の解明
発表された専門誌
Journal of Biological Chemistry・Vol. 282・No. 13・page 9475-9481・2007年

TGF-βシグナルは発生や分化、細胞の癌化の抑制など様々な生体反応において重要な働きをしており、そのシグナルはSmadによって伝えられる。癌遺伝子SnoNはSmadと結合しその転写活性を抑制している。細胞がTGF-βシグナルを受け取るとSnoNは急速に分解されSmadによる転写の活性化が誘導される。SnoNが過剰発現した細胞ではTGF-βシグナルが適切に伝えられないため、細胞の癌化が引き起こされると考えられている。しかし、TGF-βシグナルがどのようにしてSnoNの分解を誘導するのか明らかになっていなかった。本研究では(1)TAK1がTGF-βシグナル依存的に核内へ移行し、核内でSnoNと結合すること(図1)、(2)TAK1がSnoNをリン酸化すること、(3)SnoNはTAK1によるリン酸化依存的にユビキチン化を受け分解されること(図2上)、(4)細胞内在性のTAK1がTGF-βシグナル依存的なSnoNの分解に必要であることを明らかにした。以上の結果は、TAK1はSnoNのキナーゼとして働き、SnoNの安定性を制御することでTGF-βシグナルを伝えていることを示している(図2下)。

図1:

細胞内在性のTAK1とSnoNの結合
細胞をTGF-βで刺激した後、細胞質画分(Cyto)と核画分(Nuc)に分離した。各画分をコントロールIgG(C)またはTAK1抗体(T)で免疫沈降し、沈降物中のSnoNとTAK1を検出した。
IP: immunoprecipitation、IB: immunoblotting

図2:

(上)TGF- シグナル依存的なSnoNの分解におけるTAK1依存的なリン酸化の重要性
野生型SnoN(WT)またはTAK1によるリン酸化部位に変異を持つ変異型SnoN(mutant)を恒常的に発現する細胞を樹立した。その後、それぞれの細胞をTGF-βで刺激しSnoNのタンパク質量を検出した。IB: immunoblotting
(下)モデル図

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