論文紹介

第1回論文紹介(2003.4更新)

グループ名
物質理学専攻(化学系) 生物化学
著者
山本 林、江崎雅俊、金森 崇、田村 康、西川周一、遠藤斗志也
タイトル(英)
Tim50 is a subunit of the TIM23 complex that links protein translocation across the outer and inner mitochondrial membranes.
タイトル(日)
TIM23複合体のサブユニットTim50は,タンパク質のミトコンドリア外膜透過と内膜透過を共役させる
発表された専門誌
Cell 111, 519-528 (2002). [PubMed]

ミトコンドリアは生命活動に必要なエネルギー産生などを担う細胞内小器官です。ミトコンドリアを構成するタンパク質は,ミトコンドリアの外で合成されてから,ミトコンドリアを取り囲む外膜と内 膜を通過して内部に入り,そこではじめて働くことができます。このときミトコンドリアタンパク質は,二つの膜をタイミング良く同時に通過する必要がありますが,その仕組みはこれまで全く謎でした。今回われわれのグループは,酵 母を用いて,ミトコンドリア内膜の膜透過装置を構成する新しいタンパク質として,Tim50を発見しました。酵母のTim50の遺伝子を破壊したところ,この酵母ではミトコンドリアを作れなくなるため,細胞が増殖できずに死んでしまうこと がわかりました。またTim50を除去したり,抗体で機能を阻害したりすると,ミトコンドリアタンパク質は内膜を通過できなくなってしまうことがわかりました。さらに架橋実験により,外膜通過途中のタンパク質は,既に内膜の膜透過 装置を構成するTim50のすぐ近くにあることを見出しました。これは,ミトコンドリアタンパク質は外膜を通過すると,まずTim50に引き渡される可能性を示唆するものであり,これまで謎だった外膜から内膜への効率良いタンパク質の受け 渡しにTim50が関与することを示すものです。以上の成果により,ミトコンドリアがわれわれの細胞内でどのように作られ,維持されていくかという,基本的な問題の解決の突破口が開かれることが期待されます。

図1:

※詳しい内容は物質理学専攻(化学系) 生物化学

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