論文紹介

第1回論文紹介(2003.4更新)

グループ名
遺伝子実験施設 ゲノム学
著者
林史夫、鈴木博文、岩瀬亮、宇津巻竜也、三宅麻子、沈健仁、今田勝巳、古川進朗、米倉功治、難波啓一、石浦正寛
タイトル(英)
ATP-induced hexameric ring structure of the cyanobacterial circadian clock protein KaiC.
タイトル(日)
ATPとの相互作用により六量体リング構造を形成する藍色細菌時計タンパク質KaiC
発表された専門誌
2003 vol. 8 (3) Genes to Cells, 287-296 [PubMed]

我々は、別府温泉から分離された、至適生育温度が57℃である好熱性藍色細菌Thermosynechococcus elongatus BP-1 (T. elongatus)で生物時計の実験系を構築している。この藍色細菌が産生するタンパク質は耐熱性に富んでおり、タンパク質の構造と機能をタンパク質科学的に解析する上で格好の材料である。

我々はT. elongatusの時計遺伝子kaiCを大腸菌にクローニングしてKaiCを大量発現し、KaiCの大量精製法を確立した。調製したKaiCは単量体であり、この単量体型KaiCはATPと相互作用して可逆的に六量体を形成することを明らかにした。さらに電子顕微鏡観察と単粒子解析により、この六量体型KaiCの立体構造が六量体ポット構造であることを明らかにした(図1)。これは世界初の時計タンパク質の立体構造の解明である。ほとんど未解明であるKaiCの機能を極めて示唆に富む六量体ポット構造を基にして解明して行きたい。

図1:

好熱性藍色細菌T. elongatus BP-1生物時計タンパク質KaiCの三次元構造
A-E, 五方向から観察した図。G, 垂直方向で半分に切断した図。KaiCは六量体を形成し、ポット状の構造をしていることが一目でわかる

図2:

表紙を飾った我々の成果
背景は好熱性藍色細菌T.elongatus BP-1

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