論文紹介

第1回論文紹介(2003.4更新)

グループ名
生体調節論 形態発生
著者
崎山潤一、山岸 敦、黒岩 厚
タイトル(英)
Tbx4-Fgf10 system controls lung bud formation during chicken embryonic development.
タイトル(日)
Tbx4-Fgf10システムは胚発生過程で肺芽形成を調節する
発表された専門誌
Development, 130:1225-1234. [PubMed]

脊椎動物の消化呼吸器官は、初期胚では内胚葉細胞層が中胚葉で裏打ちされた体の前後方向にのびる一本の管だが、発生過程で決まった場所から管の突出が始まることによって組織形成が開始する。ついで起きる内胚葉細胞層と中胚葉の相互作用に起きる形態形成運動と細胞分化を経て機能的な組織が形成される。私たちは特に肺に注目し、肺形成の位置指定と形態形成を支える分子機構の研究を行っている。私たちは転写調節因子のひとつTbx4が形態形成に先立って初期胚の予定肺領域の中胚葉で特異的に発現していることを見いだし、形態形成との関連についてニワトリ胚を用いた局所的遺伝子強制発現系を用いて解析を行った。Fgf10は肺芽形成過程で中胚葉に由来する組織間相互作用因子として、また転写調節因子Nkx2.1は肺内胚葉の細胞分化に重要な働きを持つことが知られていたので、これらの遺伝子の発現に注目して研究を行った。その結果Tbx4は中胚葉でのFgf10遺伝子の発現を、そしてFgf10発現を介して内胚葉のNkx2.1の発現を調節していることが解った。またTbx4は、Fgf10以外の遺伝子の発現調節を介して細胞非自律的にもFgf10の発現調節を行っていることを示唆する結果も得た。このようにTbx4は肺芽の位置を決め、形態形成運動や細胞分化の開始を司る重要な遺伝子であることが明らかとなった。

図1:

※詳しい内容は生体調節論 形態発生

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