論文紹介

第1回論文紹介(2003.4更新)

グループ名
情報機構学 染色体機能
著者
小川 徹、山田祥孝、黒田貴雄、守家成紀
タイトル(英)
The datA locus predominantly contributes to the initiator titration mechanism in the control of replication initiation in Escherichia coli.
タイトル(日)
大腸菌における複製開始制御様式のひとつである「開始タンパク質の結合による制御」においてdatA領域は中心的な役割を果たす
発表された専門誌
Mol. Microbiol., 44: 1367-1375 (2002) [PubMed]

染色体DNAは細胞が成長してゆく過程で決まった時期に1回だけ複製されて2倍になり、その後の細胞分裂において2つの娘細胞に均等に分配される。細胞が正常に増殖するためには複製開始の反応が厳密に制御されていなければならない。大腸菌では複製開始はDnaAタンパク質が複製開始領域(oriC)内部の5カ所に存在する9塩基対の配列(DnaA box)に結合して2本鎖DNAを開裂させる事から始まる。この反応は細胞内のoriCの個数と細胞の大きさの比がある決まった値に達した時に1回だけ行われる。

DnaA boxはoriC以外にも存在し、一部では転写反応の制御に関わっている事が知られているが、datAと我々が名付けた部位は極めて多量のDnaAを結合することにより細胞内の遊離DnaAの濃度を低下させ、その結果、複製開始が過剰に起きるのを防ぐというユニークな機能を持つことが明らかとなった。datA以外にも数カ所強力なDnaA boxが存在するが、それら全てを同時に破壊しても複製開始は正常であった。従ってDnaAを結合することにより複製開始頻度を調節するという機構はdatAに固有と考えられる。

図に示すとおり、開始反応が過剰に起こるのを防ぐ機構は他にも少なくとも2つ存在することが明らかにされており、これらの機構が共同して働くことにより複製開始のタイミングがコントロールされている。

図1:

※詳しい内容は情報機構学 染色体機能

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