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アクリヂンオレンヂ染色

yamasaki y.: 2000.11.30

Introduction

蛍光色素 Acridine orange は生細胞にも浸透するが、選択的に細胞外へ排出されるので染色されない。死細胞では排出が行われないため核酸が染色される。この性質を利用し組織を固定せずに簡便にアポトーシスを検出できる。

Materials

  1. Acridine Orange ストック溶液: 0.5 mg の Acridine Orange を 1 ml の PBS (or Absolute EtOH) に溶解する (0.5 mg/ml; 100x)。アルミホイルで遮光し 4'C で保存。注意: Acridine Orange は変異源なので手袋を使用し、皮膚や衣服についたり吸引しないように気を付ける。

    Acridine Orange - 3,6-Bis(dimethylamino)-acridine, hydrochloride: Acridine Orange (AO) は dsDNA の塩基対間に挿入し 526 nm の緑色の蛍光(励起波長 502 nm)を発し、ssDNA や RNA に結合して 650 nm の赤色の蛍光(励起波長 460 nm)の蛍光を発する。つまり、二本鎖構造の核酸に取り込まれる場合、まずリン酸と静電的に結合して二本鎖の中に3塩基対に対し 1個の割合で取り込まれる。この時、挿入された AO は互いに隣接することなく単量体で存在し、その結果 AO 本来の蛍光スペクトル(526 nm)を示す。単鎖構造の核酸に取り込まれる場合、リン酸基と最大1対1の割合で静電的に結合し、隣接す る AO 分子間で stacking や aggregation を起こす。その結果、単量体の場合と異なる蛍光(650 nm)を示すようになる。このように AO のみで二本鎖、及び単鎖型 DNA や RNA を分別染色することができ、Ar-レーザー で励起することにより DNA と RNA の同時観察が、また、フローサイトメトリーを用いて同時定量解析 ができるという特徴がある。(同仁堂ウェブページ より抜粋)

  2. Drosophila Ringer's solution or PBS
  3. ヘプタン

Method

幼虫組織の染色

  1. 幼虫を Drosophila Ringer's (or PBS) 中で解剖する。
  2. AO 溶液に組織を入れ、5分間保温する。
  3. Drosophila Ringer's (or PBS) でリンスする。
  4. Drosophila Ringer's (or PBS) 中で任意の組織を単離する。
  5. PBS で封入する。
  6. 蛍光顕微鏡で観察。

胚の染色

  1. 卵殻を除去した胚を用意。
  2. エッペンドルフチューブに 500 ul PBS、5 ul AO ストック溶液、500 ul ヘプタンを加える。
  3. 胚を加え、ローテータで振盪、5分染色。
  4. 染色液とヘプタンを棄て PBS でリンス。
  5. PBS で封入する。
  6. 蛍光顕微鏡で観察。

References

  1. Abrams JM et al. Programmed cell death during Drosophila embryogenesis. Development 117(1)1993
  2. Drosophila Protocols. Sullivan W et.al. pp221
  3. 最新アポトーシス実験法・辻本賀英ら・羊土社 pp227
  4. 同仁堂ウェブページ