「皮膚になんか、波はできないだろう」 と思われる方も多いでしょうが、意外にも、波を作ることは可能です。化学反応や、あるいは細胞間の反応が周りに伝われば「波」と同じ現象が起きる場合があるのです。この「波」のことを「反応拡散波」、あるいは「チューリング波」と呼んでいます。
このチューリング波の理論は、1952年にイギリスの数学者チューリングが初めて提唱しました。彼は、2種類の化学反応が特定の条件を満たすと、勝手に等間隔のパターンを作り出すことを、数学的な理論により予言しました。詳しくはリンク先をお読みください。
下の図は、チューリング波を作る反応系の模式図です。
チューリング波には、以下の3つの面白い性質があります。
まず第一に、模様は何もないところに、ひとりでに出来上がること。
第2に壊れても、自然に元に戻ること。
第3に、反応速度を少しだけ変えると、いろいろな2次元模様を作ること。
チューリング波を作る方程式の定数の値を変えて出来るいろいろな模様です。このように、皮膚模様がチューリング波であれば、同じ原理で全ての動物の模様が作れることになります。また、チューリング波は、他の何かの位置情報を使うことなく勝手に出来あがり、壊れても元に戻るので、模様形成を説明するのにぴったりなのです。

