シロイヌナズナの温度感受性変異体rrd1、rrd2、rid4は、高温条件下で帯化した側根を形成する。これらの帯化側根の組織構成を調べたところ、側根原基の拡大に対応して中心柱の細胞列は著しく増えていたものの、表皮・皮層の細胞層の数には変化がなかった。この結果は、根の放射パターンの構築に外側のパターンがより頑健となるような仕組みが働いていることを示唆する。
図1.変異体外植片に形成された帯化側根の組織構成
(a)側根の縦断および横断切片。野生型(WT)とrid4 変異体の外植片を発根誘導培地に置いて28℃で6日間培養し、側根形成を誘導した。野生型の正常な側根とrid4
の帯化した側根を示す。
(b)野生型とrrd1 、rrd2 、rid4 の各変異体から28°Cで誘導した側根におけるレポーター遺伝子の発現。レポーター遺伝子は、中心柱とその始原細胞で発現するSHR::GFP
、内皮、静止中心、内皮・皮層の始原細胞で発現するSCR::GFP 、静止中心で発現するWOX5::GUS
。静止中心のマーカー株としてはQC184も使用した。帯化にともなって中心柱の細胞列は増えているが、内皮、皮層、表皮の細胞層の数は変化していないことがわかる。
スケールバーは50μm。
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