論文紹介

研究代表者 相田光宏 所 属 奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科
著 者

Seiji Takeda and Mitsuhiro Aida
(武田征士、相田光宏)

論文題目 Establishment of the embryonic shoot apical meristem in Arabidopsis thaliana
(シロイヌナズナにおける胚性シュートメリステムの確立)
発表誌 Journal of Plant Research, 124: 211-219
要 旨   高等植物では、葉や枝、花などの地上部器官は、シュート頂に位置し、未分化な数細胞からなる「シュート頂メリステム (shoot apical meristem, SAM)」から作られる。SAMは、自分で未分化状態を保ちながら、同時にその周辺に側方器官を作っていく。SAMは胚発生の間に生じ、その形成には軸に依存した胚のパターン形成 と、胚頂端部での適切な区画化が必要である。この総説では、これらの過程に関わるシロイヌナズナの重要因子を紹介し、胚性のシュートメリステムがどのようにして確立されるのかを論じる。
図1
図 胚の空間的な区画化のモデル図。(a) 胚を横から見た図。向軸側の環境(ad)と、SAMの予定域(ps)を示してある。(b) 前形成層(pv)からSAM予定域(ps)へのシグナ ル想定。(c) 上からみた胚上部の区画化の模式図。ps, SAM予定域; cp, 子葉原基; bcm, 子葉の境界部。(d) 胚の上部は、SAMになる中央領域、子葉原基(cp)に なる領域と、子葉境界部(bcm)になる側方領域に区画化される。前形成層 (pv)は、頂端の下部に形成される。
研究室HP http://bsgcoe.naist.jp/en/special.html