論文紹介

研究代表者 柿本辰男 所 属 大阪大学大学院理学研究科
著 者 Kenta Hara, Ryoko Kajita, Keiko U. Torii, Dominique C. Bergmann, Tatsuo Kakimoto
(原健太、梶田良子、鳥居啓子、Dominique C. Bergmann、柿本辰男)
論文題目

he secretory peptide gene EPF1 enforces the stomatal one-cell-spacing rule.
(分泌ペプチドのEPF1は気孔の配置を制御する。)

発表誌 Genes & Dev. 21: 1720-1725, 2007
要 旨  双子葉類の気孔は、隣接することなく均一に形成されます。気孔系譜の最初のステップは、表皮におけるメリステモイド母細胞(MMC)の形成です。MMCは不等分裂をし、娘細胞のうち小さい方の細胞がメリステモイドになります。メリステモイドまたは孔辺細胞母細胞に隣接する細胞が不等分裂を行うときは、必ずメリステモイドまたは孔辺細胞母細胞から離れた場所にメリステモイドを作るように位置に不等分裂の分裂面が作られます。メリステモイドは最終的に気孔になりますので、この不等分裂の分裂面制御が、気孔の配置を制御していることになるのです。私達は、メリステモイドと孔辺細胞母細胞から分泌され、隣接細胞の不等分裂の分裂面を制御する分泌ペプチドEPF1を見いだしました。EPF1の作用には、TMM/ER/ERL1/ERL2受容体とMAPキナーゼカスケードが必要であることもわかりました。
図1
図1 分泌ペプチドEPF1による気孔の配置制御
研究室HP http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/dbs01/re-paper-temp.php?id=2