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- 論文紹介【第8回論文紹介】
- MYB3R1 およびMYB3R4 遺伝子の変異は、シロイヌナズナにおいて多面的な発生異常とG2/M期特異的遺伝子群の発現の低下を引き起こす。
論文紹介
研究代表者 |
伊藤 正樹
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所 属 |
名古屋大学大学院生命農学研究科 |
著 者 |
Nozomi Haga, Kosuke Kobayashi, Takamasa
Suzuki, Kenichiro Maeo, Minoru Kub, Misato Ohtani, Nobutaka, Mitsuda,
Taku Demura, Kenzo Nakamura, Gerd Jürgens, and Masaki Ito
(羽賀望、小林耕介、鈴木孝征、前尾健一郎、久保稔、大谷美沙都、光田展隆、出村拓、中村研三、Gerd Jürgens、伊藤正樹)
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論文題目 |
Mutations in MYB3R1 and MYB3R4 cause
pleiotropic developmental defects and preferential down-regulation
of multiple G2/M-specific genes in Arabidopsis thaliana
(MYB3R1 およびMYB3R4 遺伝子の変異は、シロイヌナズナにおいて多面的な発生異常とG2/M期特異的遺伝子群の発現の低下を引き起こす。) |
発表誌 |
Plant Physiol. 157: 706-717, 2011
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要 旨 |
植物の発生過程における細胞の分裂は、個々の細胞の細胞周期が制御されることによって調節されており、これには細胞周期制御に直接関わる遺伝子の発現を制御することが重要であると考えられている。私たちは以前に、2つのMyb転写因子(MYB3R1とMYB3R4)が細胞質分裂に必至なKNOLLE
遺伝子の転写活性化を通じて、シロイヌナズナの細胞質分裂を正に制御している可能性について報告した。今回の論文では、この2つのMyb遺伝子の変異体を用いて、マイクロアレイ解析による網羅的な遺伝子発現解析と詳細な表現型の解析を行った。シロイヌナズナのmyb3r1
myb3r4 二重変異体では、KNOLLE 遺伝子以外にも多くのG2/M期特異的遺伝子 (G2/M期遺伝子)の転写産物レベルが低下していた。また、このような遺伝子のゲノム塩基配列を調べると、MSAエレメントと呼ばれるM期特異的転写活性化に関わるシスエレメントが過剰提示されていることがわかった(図1)。この二重変異体では不完全な細胞質分裂が引き起こされるほか、細胞レベルおよび個体レベルの多面的な異常が生じていた(図2)。このような結果から、MYB3R1とMYB3R4はMSAエレメントに結合し、G2/M期遺伝子の転写を活性化することにより、細胞分裂を正に制御していること、また、このような制御が植物の発生における多くの局面に重要であることを示した。
図1.G2/M期遺伝子の上流域に存在するMSAエレメントのコンセンサス配列(A)はMYB3R4がin
vitroで結合するDNAのコンセンサス配列(B)とよく似ていることがわかった。この結果は、 MYB3R4が多くのG2/M期遺伝子の転写を共通のシスエレメントを通じて活性化するという従来の仮説を支持していた。
図2.myb3r1 myb3r4 二重変異体の表現型 MYB3R1
とMYB3R4 の二つのMyb遺伝子に変異を持つシロイヌナズナでは、花茎の矮性化、芽生えの形態異常、胚発生における分裂パターンの異常など、多面的な異常が生じていた。
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研究室HP |
http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~bunka/ |
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