研究業績

上川内研のメンバーが著者に入っている論文などの一覧です。


 

■発表論文 Research Papers 【2015年以前の文献】(最近の論文はこちら


【2015年】

Sano H, Nakamura A, Texada JM, Truman JT,Ishimoto H, Kamikouchi A, Nibu Y, Kume K, Ida T, Kojima M (2015).

The Nutrient-Responsive Hormone CCHamide-2 Controls Growth by Regulating Insulin-like Peptides in the Brain of Drosophila melanogaster.
PLoS Genetics, 11(5): e1005209


久留米大学分子生命科学研究所の佐野浩子先生との共同研究です。米国留学前、先にロックフェラー研究所に留学されていた佐野さんにお話を伺いに行った時が最初の出会いでした。ニューヨークのインドレストランで食べたカレーの味が懐かしいです。あれからX年、時は流れて一緒に研究が出来るなんて夢みたいです。昆虫の脳にはインシュリン様ペプチドホルモン(dilps)を分泌する神経細胞(IP cells)があります。本研究は、末梢組織(脂肪体)から分泌されるCCHamide-2というホルモンが脳のIP cellsに働き掛けてdilpsの分泌を制御し、個体の成長を栄養条件と協調的に制御することを示しました。脳のホルモン分泌細胞と末梢組織を結ぶ分子の存在は長らく謎でした。本研究はこの謎に迫る試みです。脳のカルシウムイメージング実験で協力させて頂きました。(石元)


【2014年】

Morimoto-Suzki N, Hirabayashi Y, Tyssowski K, Shinga J, Vidal M, Koseki H, Gotoh Y (2014).

The polycomb component Ring1B regulates the timed termination of subcerebral projection neuron production during mouse neocortical development.
Development. 141(22):4343-53.


マウス大脳発生期において、神経幹細胞が種々のニューロンを生み分ける時、エピジェネティックな制御が存在することを示しました。これは、ニューロンの数を制御する仕組みの一つと考えられます。Faculty of 1000 NeuroscienceにてRecommendedされました。


Matsuo E(#), Yamada D(#), Ishikawa Y, Asai T, Ishimoto H, Kamikouchi A (2014). (#)Equal contribution

Identification of novel vibration- and deflection-sensitive neuronal subgroups in Johnston’s organ of the fruit fly.
Frontiers in Physiology. 5:179. doi: 10.3389/fphys.2014.00179


ショウジョウバエの耳である「ジョンストン器官」はA, B, C, D, Eと呼ばれる5種類の感覚神経細胞群を持っています。そのうちD細胞群は、解剖学的には他の細胞群と異なるユニークな特徴を持ちますが、その性質は不明でした。今回私達は、このD細胞群が音などに起因する触角の揺れと、重力や風などによる触角の傾きの両方に反応するという、他の細胞群とは異なる特性を持つことを発見しました。今回の発見により、ジョンストン器官を構成する5つの細胞群の応答特性が全て解明され、ショウジョウバエが触角の動き方をどのように脳内表現しているか、という謎が解明されました。


Gotoh H, Miyakawa H, Ishikawa A, Ishikawa Y, Sugime Y, Emlen DJ, Lavine LC, Miura T(2014).

Developmental link between sex and nutrition; doublesex regulates sex-specific mandible growth via juvenile hormone signaling in stag beetles.
PLoS Genetics, 10(1): e1004098


ワシントン州立大学(当時)の後藤さんとの共同研究です。クワガタなど甲虫のオスは栄養状態に応じてと武器形質(角や大顎)を大きく発達させます。この研究は、インドネシア産のメタリフェルホソアカクワガタを用いて、doublesexという遺伝子が幼若ホルモンに対する応答性を性特異的に調節することで、このオス特異的な武器形質の発達が実現されることを明らかにしました。


【2013年】

Ishimoto H, Wang Z, Rao Y, Wu CF, Kitamoto T (2013).

A Novel Role for Ecdysone in Drosophila Conditioned Behavior: Linking GPCR-mediated Non-canonical Steroid Action to cAMP Signaling in the Adult Brain.
PLoS Genetics. 9(10): e1003843. doi:10.1371/journal.pgen.1003843.


昆虫のステロイドホルモン「エクジソン」の神経行動学的働きを明らかにした第3弾!です。エクジソンシグナルが膜受容体型エクジソン受容体を介して記憶一般に重要なcAMPカスケードに作用していることを明らかにしました。このようなnon-genomicなエクジソンの働きの解明は今後の大きな課題です。


Yoon J, Matsuo E, Yamada D, Mizuno H, Morimoto T, Miyakawa H, Kinoshita S, Ishimoto H, Kamikouchi A (2013).
Selectivity and plasticity in a sound-evoked male-male interaction in Drosophila.
PLoS ONE 8(9): e74289. doi:10.1371/journal.pone.0074289

ショウジョウバエの聴覚行動を自動で解析するソフトウェア CHaINをつくりました。これを使った解析から,近縁種間の聴覚行動の違いや,聴覚行動の可塑的な変化が明らかになりました。ソフトウェアはこちらからダウンロードできます。


Hattori A, Sugime Y, Sasa C, Miyakawa H, Ishikawa Y, Miyazaki S, Okada Y, Cornette R, Lavine LC, Emlen DJ, Koshikawa S, Miura T (2013).
Soldier morphogenesis in the damp-wood termite is regulated by the insulin signaling pathway.
J Exp Zool B 320(5):295-306. doi: 10.1002/jez.b.22501

北海道大学(当時)の服部さんとの共同研究です。社会性昆虫であるシロアリは、ほぼ同じゲノム情報を持つ個体が、生殖虫(王や女王)、ワーカー、兵隊など、全く異なる形態を持つ“カースト”に分化します。私たちは、このシロアリの兵隊分化における形態形成にインスリンシグナルが重要な役割を果たしていることを発見しました。


【2012年以前】

Ishikawa Y, Miura T (2012).
Hidden aggression in termite workers: plastic defensive behaviour dependent upon social context.
Anim Behav 83, 737-745. doi:10.1016/j.anbehav.2011.12.022

シロアリの防衛行動を定量化することにより、守るべき生殖虫が近くにいるとワーカーが攻撃的に振る舞い、一方自分を守ってくれる兵隊が近くにいるときには攻撃性を低下させることを発見しました。これまでシロアリでは発達した武器を持つ兵隊がコロニーの防衛を専門的に担うとされてきましたが、実はワーカーも臨機応変にコロニー防衛に参加しているのかもしれません。また、このような可塑的な攻撃性を持つワーカーが兵隊の進化的起源になった可能性があります。


Ishikawa A, Ishikawa Y, Okada Y, Miyazaki S, Miyakawa H, Koshikawa S, Brisson JA, Miura T (2012).
Screening of up-regulated genes induced by high density in the vetch aphid Megoura crassicauda.
J Exp Zool A: 317(3): 194-203. doi: 10.1002/jez.1713.

北海道大学(当時)の石川麻乃さんとの共同研究です。アブラムシは環境要因に応じて一つのゲノム情報から多様な表現型を生み出すことが知られています。この研究では、遺伝子発現スクリーニングにより、個体群密度の変化に応じてアブラムシの翅の有無を決定する候補遺伝子を同定しました。


Sakai T, Sato S, Ishimoto H, Kitamoto T. (2012)
Significance of the centrally expressed TRP channel painless in Drosophila courtship memory. Learn Mem. Dec 17;20(1):34-40
首都大の坂井さんとの共同研究です。これまで、感覚受容にばかり注目されていたTRPチャンネルで すが、長期記憶形成といった高次脳機能に重要であることが初めて分かりました。painlessはその名の 通り「痛み」を感じない突然変異体ですが、失恋の痛みも感じにくいようです。


Inagaki KH, Ben-Tabou de-Leon S, Wong A, Jagadish S, Ishimoto H, Barnea G, Kitamoto T, Axel R, Anderson JD. (2012)
Visualizing neuromodulation in vivo: TANGO-mapping of dopamine signaling reveals appetite control of sugar sensing. Cell. Feb 3;148(3):583-95

Cal Techに留学中の稲垣さんとの共同研究です。神経伝達物質受容体の多くはGPCR型です。脳内のGPCR型受容体が何処で活性化しているのか検出できるとっても便利な TANGOシステムを活用した研究です。味覚の「慣れ」にドーパミンフィードバック機構が関与することを明らか にしました。


Ozaki K, Ryuda M, Yamada A, Utoguchi A, Ishimoto H, Calas D, Marion-Poll F, Tanimura T, Yoshikawa H. (2011)
A gustatory receptor involved in host plant recognition for oviposition of a swallowtail butterfly. Nature communications. Nov. 15;2:542 doi:10.1038/ncomms1548.

JT生命誌博物館の尾崎さんとの共同研究です。尾崎さんをはじめ研究に関わった多くの方々の長年の努力が実り ました。食性と種分化は生物進化を色濃く反映します。ナミアゲハの産卵場所選択性の決め手はホストとなる柑橘類 に含まれる「味」でした。柑橘類に含まれる物質の一つ「シネフリン」受容体の発見は、食性決定と進化を知る上で 重要な手がかりとなるでしょう。


Soshnev AA, Ishimoto H, McAllister BF, Li X, Wehling MD, Kitamoto T, Geyer PK. (2011)
A Conserved Long Non-coding RNA Affects Sleep Behavior in Drosophila.Genetics. Oct;189(2):455-68.

Kamikouchi A, Wiek R, Effertz T, Gopfert MC, Fiala A (2010).
Transcuticular optical imaging of stimulus-evoked neural activities in the Drosophila peripheral nervous system. Nat Protocols 5, 1229-1235.

Ishimoto H, Kitamoto T. (2010)
The steroid molting hormone Ecdysone regulates sleep in adult Drosophila melanogaster.Genetics. May;185(1):269-81.
昆虫のステロイドホルモン「エクジソン」の神経行動学的働きを明らかにした第2弾!です。睡眠は未だ解明されていな い動物行動の大きな謎の一つです。本研究では、睡眠制御にエクジソンが関与することを明らかにしました。睡眠の記憶 形成への影響は周知ですが、ステロイドホルモンが両者を仲介しているのかもしれません。

Kamikouchi A,Albert JT, Gopfert MC (2010).
Mechanical feedback amplification in Drosophila hearing is independent of synaptic transmission. Eur J Neurosci 31, 697-703.

Aldrich BT, Kasuya J, Faron M, Ishimoto H, Kitamoto T.(2010)
The amnesiac gene is involved in the regulation of thermal nociception in Drosophila melanogaster.J Neurogenet. Mar;24(1):33-41.

Inagaki HK, Kamikouchi A,Ito K (2010).
Methods for quantifying simple gravity sensing in Drosophila melanogaster. Nat Protocols 5, 20-25.

Inagaki HK, Kamikouchi A, Ito K (2010).
Protocol for quantifying sound-sensing ability of Drosophila melanogaster. Nat Protocols 5, 26-30.

Ishimoto H, Sakai T, Kitamoto T. (2010)
Ecdysone signaling regulates the formation of long-term courtship memory in adult Drosophila melanogaster.Proc Natl Acad Sci USA, pp1229-1235. 14;106(15):6381-6
よく記憶に残る出来事とそうでないものの違いは何でしょうか?「記憶の強さ」をステロイドホルモンが調節しているの かもしれません。本研究によって、これまで脱皮ホルモンとして有名な昆虫ステロイドホルモン「エクジソン」が、脳神 経機能を調節していることが分かりました。動物行動の内分泌制御機構の解明は研究メインテーマの一つとなりました。

Kamikouchi A, Inagaki HK, Effertz T, Fiala A, Hendrich O, Gopfert MC, Ito K (2009).
The neural basis of Drosophila gravity sensing and hearing.
Nature (Article) 458, 165-171.
ショウジョウバエが音と重力を感じ分ける神経基盤を解明しました。この号のNature誌にて、News & Views に取り上げられました。Faculty of 1000 Biologyにてexceptionalとの評価を受けました (F1000 Factor 9.0)。

Yorozu S, Wong A, Fischer BJ, Dankert H, Kernan MJ, Kamikouchi A, Ito K, Anderson DJ (2009).
Distinct sensory representations of wind and near-field sound in the Drosophila brain.
Nature (Letter) 458, 201-205.
ショウジョウバエが音と風を感じ分ける神経基盤の解明に協力しました。

Ikemoto Y, Ishikawa Y, Miura T, Asama H (2009).
A mathematical model for caste differentiation in termite colonies (Isoptera) by hormonal and pheromonal regulations.
Sociobiology 54: 841-859.
東京大学(当時)の池本さんとの共同研究です。シロアリのコロニーは環境の変動に応じて適切なカースト比を保つことが知られています。私たちはこれまでカースト分化の制御に関与していることが知られている幼若ホルモンやエクダイソンの変動、またコロニー内のフェロモンコミュニケーションを考慮したモデルを解析し、最低2種類の個体間相互作用により適切なカースト比の維持が可能であることを明らかにしました。

Ishikawa Y, Aonuma H, Miura T (2008).
Soldier-specific modification of the mandibular motor neurons in termites.
PLoS ONE 3(7): e2617. doi: 10.1371/ journal.pone.0002617.
シロアリは兵隊分化の過程で大顎を大きく発達させます。そこで大顎を支配する大顎運動ニューロンを観察すると、その細胞体が肥大化していることがわかりました。このような兵隊特異的なニューロンの発達はほぼすべての科のシロアリで共通していました。面白いことに大顎で咬みつく代わりに毒液を噴出して外敵を攻撃する種においても一部の大顎運動ニューロンが肥大化していました。これらの結果は、この兵隊特異的なニューロンの肥大化はシロアリの祖先種において起こり、その防衛行動の多様化の基盤となってきたことを示唆しています。

Ishikawa Y, Koshikawa S, Miura T (2007) .
Differences in mechanosensory hairs among castes of the damp-wood termite Hodotermopsis sjostedti (Isoptera: Termitidae).
Sociobiology 50: pp. 895-907.
屋久島に生息するオオシロアリの体表を観察し、機械受容感覚毛にカースト間で違いがあることを発見しました。特に兵隊の頭部や前胸部では機械受容感覚毛が長く発達していました。この特徴は、外敵の侵入による巣の振動や空気の流れの変化に対して、兵隊が高い感受性を持つことに関係しているのかもしれません。

Kamikouchi A, Shimada T, Ito K (2006).
Comprehensive classification of the auditory sensory projections in the brain of the fruit fly Drosophila melanogaster.

J Comp Neurol 499, 317-356.
ショウジョウバエの聴覚器内部の感覚神経細胞が形成する神経回路を網羅同定することで、包括的な聴感覚神経回路地図を作製しました。雑誌の表紙を飾りました。

Kunieda T, Fujiyuki T, Kucharski R, Foret S, Ament SA, Toth AL, Ohashi K, Takeuchi H, Kamikouchi A, Kage E, Morioka M, Beye M, Kubo T, Robinson GE, Maleszka R. (2006)
Carbohydrate metabolism genes and pathways in insects: insights from the honey bee genome.
Insect Mol Biol 15, 563-576.

The Honeybee Genome Sequencing Consortium (2006).
Insights into social insects from the genome of the honeybee Apis mellifera.
Nature 443, 931-949.
セイヨウミツバチの全ゲノム配列を決定しました。Consortiumの一員としてアノテーション作業に参加しました。

Gopfert MC, Albert JT, Nadrowski B, Kamikouchi A.(2006).
Specification of auditory sensitivity by Drosophila TRP channels.
Nat Neurosci 9, 999-1000.
ショウジョウバエ聴覚器の振動の幅が、3種類のTRPチャネルによってフィードバック制御されていることを発見しました。Faculty of 1000 Biologyにてexceptionalとの評価を受けました (F1000 Factor 8.2)。

Ishimoto H, Takahashi K, Ueda R, Tanimura T. (2005)
G-protein gamma subunit 1 is required for sugar reception in Drosophila.
EMBO J. Sep 21;24(18):3259-65.

Miura T, Ishikawa Y (2006)
Social behavior and expression of caste function in termites. (in Japanese)
pp.872-873.
Kamikouchi A, Morioka M, Kubo T (2004).
Identification of honeybee antennal proteins/genes expressed in a sex- and/or caste selective manner.
Zool Sci 21, 53-62.

Matsumoto M, Yada M, Hatakeyama S, Ishimoto H, Tanimura T, Tsuji S, Kakizuka A, Kitagawa M, Nakayama KI. (2004)
Molecular clearance of ataxin-3 is regulated by a mammalian E4.
EMBO J. Feb 11;23(3):659-69.

Ishimoto H, Matsumoto A, Tanimura T. (2000)
Molecular identification of a taste receptor gene for trehalose in Drosophila.
Science. Jul 7;289(5476):116-9.

 

 

■総説 Reviews

上川内あづさ (2013).
ショウジョウバエの音響交信を支える神経基盤 :求愛歌を受容する聴覚系のしくみ.
生物科学. 65(2): 95-101.


ショウジョウバエが「求愛歌」と呼ばれる羽音を使って同種間でコミュニケーションを行います。そのような聴覚コミュニケーションの成立に必要な神経基盤を解説しました。

Kamikouchi A (2013).
Auditory neuroscience in fruit flies.
Neurosci Res. 76(3):113-8.

最近急速に発展して来た、ショウジョウバエを使った聴覚研究について、最新の知見を概説しました。

Matsuo E,Kamikouchi A (2013).
Neuronal encoding of sound, gravity, and wind in the fruit fly.
J Comp Physiol A. 199(4):253-62.

ショウジョウバエの神経系が音、重力,風の情報をどのようにコードするかを実際の実験データを基に,分かりやすく解説しました。

松尾恵倫子上川内あづさ (2013).
ショウジョウバエの「耳」を起点とする機械感覚情報処理システム.
細胞工学. 32:454-460.

ショウジョウバエは私たちの耳と機能的に類似した「ジョンストン器官」と呼ばれる「耳」を持っています。このショウジョウバエの「耳」がどのようにして様々な機械感覚情報を受け取っているのか、その情報処理機構も含めて解説しました。

Yamamoto D, Ishikawa Y (2013).
Genetic and Neural Bases for Species-Specific Behavior in Drosophila Species.
J Neurogenetics :27(3), pp.130-142, doi:10.3109/01677063.2013.800060

東北大の山元大輔先生と一緒に書いた総説です。進化発生学(Evo-Devo)は、生物進化の分子発生基盤を探る学問分野ですが、これまでは主に形態形質の進化に注目が集まる一方、行動形質に関してはあまり研究されてきませんでした。この総説ではショウジョウバエの種特異的な行動に注目し、その分子基盤や神経基盤に迫る先駆的な研究をまとめました。

Ishimoto H, Lark AR and Kitamoto T. (2012)
Factors that differentially affect daytime and nighttime sleep in Drosophila.
Front. Neur. 3:24. doi: 10.3389/fneur.2012.00024

ショウジョウバエの睡眠行動は昼間と夜間にそれぞれピークがあります。面白い事に、様々な証拠からショウ ジョウバエの昼と夜の睡眠調節は独立したメカニズムで成立しているようです。

上川内あづさ、稲垣秀彦、萬涼子、伊藤啓 (2009)
解剖学・生理学・行動学の統合的解析モデルとしてのショウジョウバエを利用した音・重力・風情報の脳内処理機構の解明 (2009).
蛋白質核酸酵素. 54(14):1817-1826

なぜショウジョウバエを使って研究をするのか?分かりやすく解説しました。

上川内あづさ、稲垣秀彦、伊藤啓 (2009).
ショウジョウバエにおける音、重力、風検知の神経基盤 (2009).
実験医学. 27(13):2105-2108

ショウジョウバエが音、重力,風の情報を検知するしくみを解説しました。

Kasuya J, Ishimoto H, Kitamoto T. (2009)
Neuronal mechanisms of learning and memory revealed by spatial and temporal suppression of neurotransmission using shibire, a temperature-sensitive dynamin mutant gene in Drosophila melanogaster.
Front Mol Neurosci. 2:11

留学中お世話になった北本年弘先生は、今や必須の分子遺伝学的ツールであるUAS-shibirets1を 世に出した方です。大人気のshibireを使った分子遺伝行動学研究についてのレビューです。論文中に使って いるイラストも人気?だったりします。

関裕一, 石元広志, 谷村禎一 (2008)
ショウジョウバエにおける「睡眠」の分子遺伝学的解析
時間生物学11(2), 77

Ishimoto H, Tanimura T. (2004)
Molecular neurophysiology of taste in Drosophila.
Cell Mol Life Sci. Jan;61(1):10-8

当時分かっていた味覚の分子神経生理学的知見をまとめた総説です。

石元広志, 谷村禎一 (2003) 
ショウジョウバエにおける化学感覚受容機構の分子遺伝学的解析
日本味と匂学会誌 10(2), 235-241.