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子育て単身赴任教員ネットワークのメンバーの生活の様子を紹介しています。
 

子育てコラム: 大変だけど、笑っちゃう [Part 2]

 

  2013年11月 工学研究科 田川美穂
 
3. 一人で二人の乳幼児をみるということ
 
  今まで独り占めできたママを独り占めできない。二歳の娘にとって、突如現れた弟の出現は大変なショックとストレスのようだった。息子に授乳すれば割り込んできて叩く、引っ掻く、髪の毛を引っ張る、耳元で大声で泣きじゃくる。生まれて間もなく息子は弱肉強食のジャングルに生まれ落ちたライオンの子のような過酷な環境に置かれることとなった。夜中も一人泣けばもう一人も起きて泣く。母の私は殆ど眠れず、こちらが泣きたい程だった。いや、一緒にワンワン泣いたこともある。それでも、‘大変’という言葉で片付けられる程度はまだマシだった。

  ある晩、目を離した隙、娘が布団の上で走って転び、2か月の息子の頭の上に倒れこんだ。「ゴン!」という硬い音。頭蓋骨同士がぶつかる音だった。慌てて冷やすとともに夜間救急に電話し、小児科医の指示に従った。吐かなければ受診は明朝で良いと言われたが、夜中から朝にかけて何度か吐いたので、不安になった。幸い脳への影響はなかったが、一人で看ることに限界を感じた。

4.ベビーシッター探し

  朝晩手伝ってくれるベビーシッターを探そうと、男女共同参画室HPで紹介されている、大学のベビーシッター割引券(こども未来財団発行)が使用できる業者に片っ端から電話した。しかし、朝・晩は最もやってくれる人がいない時間帯。結局どの業者でも日常的にやってくれるという人が見つからなかった。料金をみても、子供二人だと3500円〜/時間+交通費、最低二時間から。割引券が使用できても日常的に頼むには無理がある。別の方法を探らなければならなかった。ちなみに、名古屋市の‘のびのびサポート事業’は800〜1000円/時間+交通費とリーズナブルだが、こちらは提供会員(ベビーシッター)の数が依頼会員に対して圧倒的に少ないという問題がある。着任時から登録しているが、なかなか見つからない。

  結局、学生掲示板にアルバイト広告を出し、こちらの要求する時間帯でやってくれるという留学生の奥さんに頼むことにした。しかし彼女にはとても助けられたが、これで問題が全て解決される訳ではなかった。完全に赤ちゃん返りした娘は、他人が家に来るとよりママにべったりになる。抱っこ抱っこで私は身動きが取れなくなってしまうのだ。しばらく経てば慣れてくるかと思いきや、娘のママべったり振りは全く変わらないので、結局お断りすることになってしまった。

  色々試行錯誤した挙句、我家の場合は人に頼むよりは便利家電と便利グッズの方が良いことがわかり、一年も使用していない全自動洗濯機を洗濯乾燥機へ買い換えるなど、家事時短を徹底的に追及することにした。料理も週末に作り置き。平日は温めるだけ。油ものは紙皿で食べる等々。

  しかしそれでも、子育てというのは、便利家電やベビーシッターの助けでは解決できない部分の方が多い。当然のことであるが。その部分は親が受け止めるしかないのだ。
 
 
  [Part 3] へ続く