論文紹介

第24回論文紹介(2014.10更新)

グループ名
生体応答論グループ
著者

久本直毅、李春、吉田誠希、松本邦弘

タイトル(英)
The C. elegans HGF/plasminogen-like protein SVH-1 has protease-dependent and -independent functions
タイトル(日)

C.エレガンスのHGF/プラスミノーゲン様タンパク質SVH-1はプロテアーゼ依存的機能と非依存的機能の両方を持つ

発表された専門誌

Cell Reports, in press

脊椎動物の肝細胞増殖因子(HGF)とプラスミノーゲンは、それぞれ増殖因子と細胞外マトリクス(ECM)を切断するプロテアーゼという全く異なる機能を持つが、構造およびアミノ酸配列の類似性から、共通の祖先遺伝子から分岐したと考えられている。しかし、これらの因子が2つの機能を同時に持つ祖先遺伝子からそれぞれ機能分化したのか、それとも脊椎動物で増殖因子の機能が後発的に獲得されたのか、その進化的経緯は不明であった。我々は以前、線虫C.エレガンスにおいてHGF/プラスミノーゲン様因子SVH-1がHGF受容体ホモログであるSVH-2を介して神経軸索再生を制御することを報告した。今回、我々はSVH-1およびSVH-2遺伝子が他の無脊椎動物でも広く保存されていること、さらにSVH-1がSVH-2非依存的に幼虫の生育を制御することを見出した。SVH-1は機能的なプロテアーゼドメインを持ち、その活性は生育に必須であるが軸索再生には必須ではない。svh-1遺伝子の欠損はECMタンパク質FBL-1の咽頭筋への異常な蓄積を引き起こす。またsvh-1変異体の幼虫期での生育停止の表現型は、fbl-1遺伝子の欠損により部分的に抑圧された。以上の結果から、SVH-1は増殖因子かつプロテアーゼという2つの異なる機能を持った因子であること、またHGFとプラスミノーゲンは両方の機能を持つ祖先型から分岐した可能性が示唆された。

図1:


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