論文紹介

第20回論文紹介(2012.10更新)

グループ名
生体調節論 生体応答論
著者
Strahil Iv. Pastuhov、藤木 恒太、Paola Nix、金尾 朱夏、Michael Bastiani、松本 邦弘、久本 直毅
タイトル(英)
Endocannabinoid-Goalpha signalling inhibits axon regeneration in Caenorhabditis elegans by antagonizing Gqalpha-PKC-JNK signalling.
タイトル(日)
エンドカンナビノイド-GoalphaシグナルはGqalpha-PKC-JNKシグナルと拮抗することによりC.エレガンスにおける神経軸索再生を阻害する
発表された専門誌
Nature Communications, in press (2012).

神経軸索再生機構は線虫から哺乳動物まで種を越えて保存されている。線虫Caenorhabditis elegansでは、軸索再生は増殖因子SVH-1が受容体型チロシンキナーゼであるSVH-2を介してMLK-1-MEK-1-KGB-1からなるJNK経路を活性化することにより促進されることがわかっている。今回、我々はエンドカンナビノイドであるアナンダミド(AEA)を分解する酵素であるFAAH-1が、レーザー切断後の神経軸索再生を制御することを見出した。AEAはGタンパク質であるGOA-1(Goα)を介し、別のGタンパク質であるEGL-30(Gqα)を負に制御することによって神経軸索再生を抑制する。更なる解析から、GqαはEGL-8(PLC)およびEGL-8によって産生される脂質であるジアシルグリセロール(DAG)を介してプロテインキナーゼTPA-1(PKC)を活性化すること、またTPA-1はMLK-1の355番目のセリン残基をリン酸化することによりJNK経路を活性化し、神経軸索再生を制御することも明らかとなった。以上の結果より、神経軸索再生を制御するJNK経路は増殖因子シグナルとGタンパク質を介したエンドカンナビノイドの2つのシグナルによって協調的に制御されることが示唆された。

図1:


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