論文紹介

第18回論文紹介(2011.10更新)

グループ名
生体調節論講座 生体応答論
著者
Paola Nix、久本 直毅、松本 邦弘、Michael Bastiani
タイトル(英)
Axon regeneration requires coordinate activation of p38 and JNK MAPK pathways.
タイトル(日)
軸索再生はp38とJNK MAPK経路の連携した活性化が必要である。)
発表された専門誌
Proceedings of the National Academy of Sciences of USA 108, 10738-10743 (2011).

神経軸索の再生機構の解明は再生医療につながる研究として期待されているが、その分子メカニズムについては未だ不明の部分が多い。最近になって、軸索再生機構は線虫から哺乳動物まで種を越えて保存されたシステムであることが明らかになりつつある。我々は、線虫Caenorhabditis elegans をモデルとした解析から、PMK-3 (p38) と KGB-1 (JNK) の2つの MAPK 経路が連携して活性化することにより、神経の発生や機能に影響を与えることなく神経軸索の再生を促進することを見いだした。神経軸索再生は、どちらか一方の経路の活性が消失すると起きなくなる。これら2つのMAPKは、E3ユビキチンリガーゼである RPM-1 (Phr1) による MLK-1 (MLK MAPKKK) および DLK-1(DLK MAPKKK) の選択的分解、および MAPK ホスファターゼ VHP-1 (MKP7) によるPMK-3 および KGB-1 MAPK の負の制御という2つの異なる方法により制御される。これらの結果から、2つのMAPK 経路およびそれらを異なる方法で負に制御する複数の因子が、神経軸索の再生において重要な役割を持つことが示唆された。

図1:

PMK-3 (p38)経路、KGB-1 (JNK)経路およびそれらを負に制御する因子による神経軸索再生制御シグナル


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